日本のエコロジカル・フットプリント
環境分野の国際NGOのWWFジャパンとグローバル・フットプリント・ネットワークが、『エコロジカル・フットプリント・レポート 日本2009』を発表しました。エコロジカル・フットプリントとは、人類が必要とする穀物や魚、木材を生産するための面積、都市部として必要な土地の面積、そして我々が生活のために排出する二酸化炭素を吸収するための森林や海の面積、それらを合計した、人類が生活するために必要な面積の合計を意味します。我々人類が地球資源を踏みつけた足跡という意味を込めて、エコロジカル・フットプリントと呼ばれています。
それでは、現在のわれわれ日本人の生活レベルと同等の生活を世界中の人がしたら、いったい地球がいくつ必要になるでしょうか? 本レポートによると、2.3個必要だそうです。これは世界平均の1.5倍とのことです。つまり、我々日本人が、持続可能な地球環境を維持するために責任を果たすためには、地球と同規模の環境をあと1.3個分、早急に開発するか、現在の消費レベルを、半分以下に減らすかのどちらかが必要です。
地球と同規模の環境をあと1.3個作るには、火星と月を、人類にとって地球と同等に使えるようにしても、まだ足りません。宇宙開発については、様々なトライが進んでいると思いますが、これを実現するには、かなりの時間がかかるでしょう。それでは、我々の消費レベルを半分以下に減らすには? これも実感として、一筋縄ではいかないと思います。 しかしながら、現実問題として、我々の消費レベルは、地球の扶養レベルを大きく上回ってしまっていることは事実です。 デニス・メドウズ博士の『成長の限界』でも、この点が非常に問題視されています。
それでは、我々の生活の一体何が、これほどの環境負荷を生み出しているのでしょうか? 本レポートによると、石油などの化石燃料の燃焼によって排出される二酸化炭素が、大きく起因しているそうです。 確かに我々の生活は、核家族化が進展し、それぞれがバラバラに暮らし、各々の部屋で空調を入れ、自動車で移動し、と、化石燃料に大きく依存することによって、快適さを実現してきました。
そのほかの要因として、我々の消費が、海外からの資源の輸入に依存していることがあるそうです。最近バーチャルウォーターという言葉を聞きます。これは、例えば日本が輸入に大きく頼っている、大豆や小麦等の生産に、大量の水が必要であり、こうした穀物を海外から輸入することは、間接的に生産過程に必要となる水を消費していることにもなるので、この分をバーチャルウォーターと呼んでいます。 最近「地産地消」の効用が叫ばれるのは、こうした点も意識されているからです。
実際、日本人の総消費エコロジカル・フットプリントの中では、「食料」の構成比が全体の36%と、最大だそうです。日本国内で食べられることなく破棄されている食料は、年間で1,380万トン。これは、全世界で食料援助に回されている量の、なんと1.7倍にもなるとのことです。我々個人一人ひとりが、流通チャネル一つひとつが、製造メーカー一社一社が、少し心掛けるだけで、大量の食料の無駄が削減できそうです。 自宅の冷蔵庫の中、スーパーやコンビニの賞味期限切れ商品、ファーストフードの売れ残り商品、レストランの残飯、どうやったらそれらの無駄を減らせるか? 我々の食料に対する価値観が問われます。