肥満と飢餓
日本では、数年前にメタボリック症候群が話題になりましたが、米国では子供の肥満が大きな社会問題になっており、ミッシェル大統領夫人も子供の肥満撲滅のための運動を推進しています。
ニューヨークタイムズの記事によると、女性の肥満により、出産の危険度が増しているとのことです。アメリカでは、約五人に一人の妊婦が肥満だそうです。米国の肥満の基準は、例えば身長165cmで体重82kg以上を指すようで、我々が考える「太り気味」とは次元の違うレベルのようです。肥満妊婦から生まれた赤ちゃんの一カ月以内の死亡率は、通常の3倍だそうです。また死産の確立も、通常の2倍とのことです。帝王切開になる確率も、通常の3倍から4倍だそうで、これに関連した病院サイドの問題も深刻になってきているそうです。例えば、分娩のベットが壊れないように、従来よりも大きくて頑丈なものにしないといけないとか、超音波の機械を、より精度の高いものにしないといけないとか。それに伴い、医療費がますます高くなっていきます。肥満は、笑い事では済まされない、現代社会の重大な課題になってきています。
一方、WFP(国連世界食糧計画)によると、なんと世界人口の7人一人は飢餓状態にあるそうです。どうしてこんなimbalanceが起きてしまうのでしょうか? 人類の食料は、現在多すぎるのでしょうか? 少なすぎるのでしょうか? どの文献で読んだか忘れましたが、現在の世界の食料供給量は、現在の世界人口を充分に満たす量だそうです。つまり、問題は分配方法にあります。一部では太りすぎるほど食べすぎていたり、無駄な食べ方をしていて、もう一方では十分な食料を手に入れることができません。
小さな子供が食料にありつけず、栄養失調で亡くなってしまうことに、心痛めない人は、きっといないと思います。ではなぜこのようなimbalanceが起きているのか? しかも年を追うことに悪化して行っているのか? 世界がこれだけグローバル化して、運搬システムも発達している中で、必要な食料を地球上の必要な人たちに届けることは、技術的にそれほど難しいことではないと思います。おそらく、システムがそうなっていないのだと思います。
以前、東京でも失業者が自宅で餓死した事件が報道されました。失業してしまったら、東京では本当に食ベ物にありつけないのか? 少なくとも、都心のホームレスの人たちの健康そうな表情を見る限り、そんなことはないように感じます。
つまり、このimbalanceは、食料がないことが問題でも、届ける技術がないことが問題でもなく、我々人類が築き上げたシステムの問題であり、人類が作り上げた誤謬だと言えます。私は、人類が人為的に作り上げた問題は、我々人類が解決できると信じています。それでは、どう解決すべきか? まず視野を広く持つこと。そして、価値観を変えること。例えば、肥満国は、食べ物に走るのではなく、健康志向になること。そして飢餓国は、食い扶持を増やすために子供を無制限に増やすのではなく、子供の教育に力を入れること。私もまだまだ勉強中ですが、我々に解決できる重要な課題は、我々が解決すべきだと、強く思います。