メキシコ湾原油流出事故から1ヶ月半が過ぎて

2010年6月5日

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 メキシコ湾沖の原油流出事故から、1月半が過ぎました。今回の事故は、21年前のアラスカ沖で起きたエクソンのタンカーの座礁事故(バルディーズ号原油流出事故)を上回り、米国史上最悪の人為的な要因による環境災害となるようです。4月20日海上採掘場の爆発事故では11名の職員が亡くなりました。それ以降、数多くの動植物が、原油まみれになり、死に絶えているようです。

 今回の事故の恐ろしい点は、まだ解決の糸口が見つかっていないということです。海底深くでの事故に対する対応は前例がなく、これまでのトライはすべて失敗に終わりました。残念ながら、原油流出はまだ当面続くようです。そして環境破壊を食い止める目的で海上に大量に撒かれている原油分散剤の副作用や安全性については、十分な検証はされていないようです。メキシコ湾は、今週からハリケーンシーズンに入り、流出した原油の一層の拡散が懸念されています。

 この恐ろしい現状から、2つのことを感じました。まず、リスク管理がどうしてなされていなかったのか、という点です。海底油田を掘削した場合、何らかの事故が発生した場合、海洋環境に甚大な影響を及ぼすことは、だれにでも容易に想定できると思います。それにもかかわらず、どうして対応策がないのでしょうか? BPは、自社の海底油田では永久に絶対に事故は起きないと想定してたのでしょうか? 今回の事故を契機に海底油田の開発についてはリスク管理が徹底的に強化されるでしょう。 しかし、これまで開発してしまった他の油田で、同様の事故が起こったら、同じように無策のまま、自然環境が壊滅的な被害を受けるのでしょうか? 

 以上の視点で、ほかのエネルギーを考えてみると、原子力発電はどうなっているのでしょうか? 原子力発電は、石油や石炭による発電よりも、CO2排出量が少なくクリーンな電力と言われています。しかも、コスト効率が良いそうで、今後のCO2削減の核となると言われています。ここで疑問が湧きます。そのコストには、将来の事故発生の際の費用がどれほど含まれているのでしょうか? 原子力関連の事故の場合、人類に直接及ぼす影響は、金額換算できない、取り返しのつかない規模と期間になる可能性もあるのではないでしょうか。リスク管理が本当にできているのか? この問いに、自信を持ってこたえられる関係者は、いないんじゃないかと思います。

 今後、我々がまずしなければならないことは、「今良ければいい」という発想を根底から捨て、長期視点で物事を検証していくことではないかと思います。

 もうひとつ感じたこと。NBCニュースによると、今回の1ヶ月半にわたる原油の甚大な流出量は、実は、米国一国が消費する原油の消費量の1時間分にも満たないとのことです。その程度の量が、これ程の被害を自然環境に与えてしまうとは、驚きです。そして、我々人類の驚くべきオイル依存生活に、改めて驚かされます。

 

投稿者: Reo Watanabe 日時: 2010年6月5日 22:26 |パーマリンク