2009年日本の広告費

2010年2月22日

 電通が2009年(平成21年)の日本の広告費を発表しました。総広告費が5兆9,222億円で前年比88.5%、2年連続の減少だったようです。電通は本広告統計の集計方法を数年前に改定したので、直接過去と比較することができませんが、恐らく規模的には、1989年(平成元年)規模だったのではないでしょうか。ちなみに国内総生産(GDP)も前年比94.0%、2年連続の減少です。GDPの規模は、1991年から92年あたりの規模です。この数字をどう見るか。見方によっては、国内広告市場の落ち込みはGDPの落ち込みと連動したものであるといえますし、昨年の90%を割る落ち込みは、若干GDPの落ち込みを上回る広告離れが進んだ結果ともいえます。

 本発表で目を引く点は、インターネット広告が新聞広告を上回り、テレビに次ぐ第二のメディアになったこと。しかしながら、インターネット広告市場全体は前年比101.2%とほとんど伸びてはいないこと。大きく伸びているのは、モバイル広告と検索連動広告(特にモバイル検索連動広告)です。

 本インターネット広告市場は、広告制作費を含んでいますが、インターネット広告はその他の媒体広告と違い、広告制作だけでとどまることはなく、それに関連したウェブ構築やデータベース構築、戦略立案等、この費用に含まれない関連費用がかなりありますから、実際の市場規模は本発表よりもかなり大きなものでしょう。

 そうしたインターネット広告の中でも、モバイルシフトが非常に鮮明になってきたことも、我々自身の生活を振り返ってみると、明確ではないでしょうか。

 本発表では今後の広告市場については一切触れられていませんが、デジタルシフト、モバイルシフトは明らかでしょう。そのなかでも、スマートフォンや今後発売が加速するタッチパネルデバイスの急伸が予想されます。我々広告人にとって重要なポイントは、今後は単にスマートフォン向け、タッチパネルデバイス向けの広告を強化すればいいという単純なビジネスモデルは通用しないということです。現在i-Phoneの活況を見るとわかりますが、今後は位置情報やSNS機能等のアプリケーションがビジネスモデルの核となるでしょう。広告会社の戦略も、大きな発想転換が急務となります。

 まったく蛇足ですが、今日は平成22年2月22日。何とも言えず、ワクワク感じるのは私だけでしょうか。ちなみに今日は、ニャンニャンニャンということで、「猫の日」とも言うそうです。11月1日は「犬の日」だとか。

投稿者: Reo Watanabe 日時: 2010年2月22日 17:16 |パーマリンク

次世代型の広告ビジネス

2010年2月19日

 今週発売の宣伝会議」(2月15日号)にて、次世代型の広告ビジネスについて、「改めて考えるフィー制への移行」というタイトルで、広告会社のビジネスモデルを中心とした視点で、取材を受けた記事が掲載されました。

 広告プラニング業務は、メディア環境、消費者行動、テクノロジーの変化を追いかけ、適切な提案をすべく、日毎に難易度が高まっています。そして、国内消費の減退、少子高齢化の加速の中で、企業の売り上げ維持拡大に対するニーズも高まっています。こうしたニーズに、現在の広告会社は十分に応え切れていないのも現実ではないでしょうか。一方、広告会社の従来の主要ビジネスドメインである広告枠の売買取引のコミッション手数料、競争激化により日毎に収益性が下がっています。

 こうした、八方塞がりともいえる経営課題に直面し、今後の広告会社はどういった収益モデルを構築すべきか? 言葉としては、使い古された「解」ではありますが、今回改めて、高度なプラニング業務に対する適正な対価という意味で「フィー制」の是非について、語ってみました。

 広告会社の経営面でのもう一つ重要な点は、収益力低下に歯止めをかけるために、当たり前のことですが、コスト意識を高め収益管理を強化することです。広告業界以外の方は、どうしてそんな当たり前のことを言うんだと感じられると思いますが、広告業界はこれまでコミッション収入をドメインにしてきたが故に、コスト管理意識の発想が大変脆弱です。これはR&Dや中長期的な投資戦略が、競争力を決定的に左右する業界との大きな違いです。

 しかし、現在広告業界が直面している経営課題の解決には、従来ビジネスモデルからの脱皮が不可欠であり、従来型の経営スタイルからの脱皮が必要です。変革には、しっかりとしたビジョンに基づいたリーダーシップと、変革に対するリーダーのコミットメント、そして変革に果敢に取り組もうという社員の積極的な関与が、不可欠だと思います。 

投稿者: Reo Watanabe 日時: 2010年2月19日 12:09 |パーマリンク