First Wednesdayに参加して
昨晩、以前本ブログでもご紹介した「First Wednesday」という勉強会に参加しました。今回は、元日本銀行理事で日本開発銀行副総裁も務められた緒方四十郎氏が、「金融危機と2009年の世界と日本」というテーマで、講演されました。
緒方氏は、私が米国ウォートンスクールに留学中に、一度大学に来られ、講演されたことがありました。その際は、1985年のプラザ合意に至る舞台裏を中心にした、日米両国の通貨政策についてのお話でした。今回は、現在まさに進行中の世界的な金融危機についてのお話でした。2日前にダボス会議から戻られたばかりだそうで、ダボス会議での議論、位置付けの変化についてもご紹介いただき、世界情勢を把握する上で、非常に勉強になりました。
ここでは詳細については割愛しますが、興味深いお話として、日本はGood Soldiersはいるが、優秀なCommandersがいない、とのことでした。リーダーの不在が議論される所以です。日本の今後の打開策としては、政界・行政・財界それぞれが、もっとリーダーシップを発揮してがんばるしかないだろうとのことでした。そのためには、自分の担当分野のこと、自分の会社のこと、自分の業界のことだけを考えていても解決できないだろう。もう少しスケールの大きなマクロ観が必要だろう。現在話題になっている派遣切りも、日本を代表する企業が率先して実施を発表した。企業の危機対応としては至極正しいことだけれども、鉄鋼業が日本経済の中心だった頃だったら、どんな対応になっていただろうか、とのお話でした。私も年末段階では、大幅赤字になる企業ならば当然の対応ですが、減益見込みとはいえ、少なくない利益を確保している企業ですら、ここぞとばかりにリストラに入っている姿を見ると、日本人として違和感を持ちました。ただし、年明けからは、危機の深刻化により、そういったセンチメンタリズムは吹き飛ばされつつありますが、、、。 米国も、バイアメリカ条項に見られるように、保護主義的な動きが台頭してきました。国も、企業も、リーダーも、未曾有の危機に直面し、本当の器が試される段階に入ってきました。
また、今振り返ってみると、日本が一番良かった時期は戦後の復興期から1970年の大阪万博までだったんじゃないか、とのお話しでした。私は親に連れられて大阪万博に行き、人ごみの中でもみくちゃになったことを、かすかに覚えています。その時が日本のピークだったとすると、なんとも残念な気がします。世界では100年に一度の経済危機といわれています。しかしながら、その間に敗戦というどん底を経験した日本人にとっては、正直なところ100年ぶりの危機とは感じにくいのかもしれません。それが、政界・行政も含め、国民全体の危機意識の欠如に繋がっているのかもしれません。先程の話に戻ると、そういった状況で、経営の軸足が既に日本国内にはないグローバル企業が、だれよりも早く、そして強く危機意識を持つことになったのは、当然とも言えます。
国全体に蔓延する停滞感、無力感を取り除いて、もっと強い国、もっと良い国になるには、強い危機意識、高い志、幅広い視野が重要だと感じます。