2008クライアントサミット

2008年5月14日

 昨日、クライアントサミットに参加するためニューヨークに来ました。久しぶりのNYは悪天候でかなり冷え込んでいましたが、今日は一転して穏やかな好天でした。といっても、今日は終日、インターナルの様々な会議があったため、好天に気づいたのは夕食に出かける時になってからでしたが。

 午前中は、世界の経営幹部が参加するマネジメント会議でした。昨年12月のラスベガスでの会議から5ヶ月ぶりの開催となります。昨年の会議では、クラーク・コキッチCEOから、クライアントに、単にウェブサイト制作、オンラインメディア、サーチといった、個別のサービスを提供するのではなく、急速にデジタル化していく社会に相応しいTransformationalなビジネスモデルを提供できる会社になろうとの、宣言がありました。今回は、その宣言から5ヶ月がたち、進捗状況と今後の取り組みについて、次のような説明がありました。

 従来の広告会社のように、ビッグアイデアを提供するだけではなく、トランスフォーメンショナルなアイデアを提供できる会社になること。そのためには、コピー、アートワークといった広告制作だけにとどまらず、クライアントの新しいビジネスモデルの構築にまで、踏み込んで考えること。メディア業務については、Media Planningという考え方ではなく、Connections Planningという考え方で、取り組むこと。つまり、単なるAwareness(認知)の向上ではなく、Advocacy(ファン)の育成を、心掛けること。重要なことは、これまでのアナログ中心のデジタルエージェンシーという立場から、一層デジタル化する社会に相応しいエージェンシーへの転換である、との強い宣言でした。

How do we transform from a digital agency in a mostly analog world to the lead agency in the mostly digital world?

 今回、各国の経営幹部と話をして改めて感じたことは、デジタルエージェンシーに対するニーズのレベルが国によってかなり違っているということです。アベニューAレイザーフィッシュが構築した、データ分析に基づく一貫したデジタルマーケティングサービスは、当然のことながら米国では高い評価を得ており、昨年のマイクロソフトによる好条件での買収に繋がったと言えます。その反面、最近では従来型のメガエージェンシーとの、特にメディアビジネス領域において、競合が激化してきているようです。イギリスでは、クライアントのデジタルメディアへのシフトが米国以上に急激に進展しているようです。メディア予算を全額デジタルにシフトする大手広告主も出てきたそうです。そうした状況では、アベニューAレイザーフィッシュの科学的アプローチは、競合他社とは明確に一線を画しているようです。オーストラリアでは、今年に入ってから急に同様のクライアントニーズが顕在化してきたようで、今後が楽しみになってきたと言っていました。こうした世界的な環境変化の中で、日本市場を振り返ると、我々広告会社サイドも、メディアサイドも、クライアントサイドも、残念ながら大きく遅れをとってしまっていると言わざるを得ません。日本経済はここしばらくリセッションに入ることが予想されます。こういう時期にこそ、しっかりと効果測定が出来て、継続的に改善が施せる科学的な広告活動に対するニーズが、本格化することを、祈っています。

 明日(14日)から2日間、クライアントサミットが開催されます。今年は昨年よりも大幅に規模が拡大し、1,100名の参加者を見込んでいます。講演内容もかなり興味深いものになりました。その中でも、明日の午後の「Agency of the Future Panel」というタイトルのパネルディスカッションが、かなり楽しみです。アベニューAレイザーフィッシュCEOのクラークと、AKQAのCEOと、R/GAのCEOが顔を揃え、今後のエージェンシー像について語り合います。そして明後日のキーノートスピーチでは、ビートルズのプロデュースで有名なジョージ・マーティンが登壇します。詳細、追って報告していきます。

IMG.jpg
オールスタッフミーティングの風景

投稿者: Reo Watanabe 日時: 2008年5月14日 14:08 |パーマリンク