大学就職希望ランキングを見て
今朝の日経新聞に、大学生の就職先希望ランキングが発表されていました。これを見て、日本はイノベーションからますます遠ざかってしまうのではないかという、危機感を感じました。まず、ネット系の企業が全くランクインしていないこと。ネット系に限らず、そもそも新興企業と言える企業が、全くランキングされていませんでした。トップ100位の中で、最も若い企業は、おそらく90位にランクされたマイクロソフトではないでしょうか。日本では過去30年間、顕著なイノベーション企業は、全く生まれなかったのでしょうか?
さらに驚いたことは、上位にランクされた企業は、当然のことながら日本を代表する一流企業ですが、よく見ると、明らかに成熟産業に分類される企業、イノベーションの最終段階に位置する企業も、散見されます。日本経済が、そして世界経済が大きな転換期を迎えつつある中で、学生の将来感は、どのように形成されているのでしょうか?
就職希望企業の志望理由として上位に挙げられている項目は、「仕事が面白そうである」、「規模が大きい」、「一流である」、「安定している」といったような順番でした。最初の項目に異論はありませんが、それ以降の項目から推測されることは、現在の大学生にとって一流企業というものは、「規模が大きくて、安定している企業」であり、「今後イノベーションを起こして、高成長を遂げる企業」ではないようです。また、「一生、同じ会社で安定的に働きたい」という項目が、昨年比で大きく伸びたとのこと。これ自身は全く悪いことではないと思います。しかしながら、近い将来確実に、新しい成長カーブを描くイノベーションが必要となる成熟企業で、40年間働くという覚悟をした上での判断なのか、疑問が湧きました。もしこの認識に大きなギャップがあるとすると、企業が欲しいと思う人材と、実際に応募する学生の質に、ギャップが生じます。つまり、成熟産業の今後のイノベーションの可能性が、低くなってしまうことになります。
いずれにせよ、社会の先輩である我々が、学生世代に対して、夢のあるしっかりとした将来像を提示し、それを実際に具現化していくことが、何よりも必要なのだと思います。日本経済が、大企業も新興企業も共に、ズブズブと沈んでしまわないように、現代社会人の責任は重いと感じました。
最後にもう一つ。電通と博報堂が逆転してしまったのは、どうした訳でしょうか? 電通グループとして、気になります。