カスタマー・インサイトとは?

2007年8月22日

 今週は、アベニューAレイザーフィッシュの本社からカスタマー・インサイト・グループの責任者とシニアコンサルタントの二人に来日してもらい、3日間みっちり彼らが米国で提供している分析手法ならびにコンサルテーション・サービスについてのセッションを受けました。広告市場環境の違い、そしてクライアントのニーズの違い等についても議論を重ね、どうすれば日本市場でレベルの高いサービスが提供できるか話し合いを進めました。

 カスタマー・インサイト・グループが提供するサービスは、企業のマーケティング戦略の根幹に関わるものから、行動ターゲティングを行う際のセグメンテーションといったオンラインキャンペーンにおける具体的な課題に対する分析や提案まで、多岐に亘ります。具体的な課題としては、例えば下記のようなものがあります。

Q1 強固な販売代理店を抱える企業が、オンラインチャネルをどのように活用すれば、既存の営業網に打撃を与えずに、新市場を獲得し、成長を持続することができるか?

Q2 どうすれば従来のメディア予算を増やすことなく、売上を増大させることができるか?

Q3 ブランド広告とダイレクトレスポンス広告をどのように組み合わせれば、最大の効果を生み出すことができるか?

こうした課題について、次の9つのステップを踏み、解決策を提案します。
  1 問題と機会を明確にします。
  2 プロジェクトの範囲を決定します。
  3 コアチームを編成します。
  4 クライアントの承認を受け、契約を結びます。
  5 必要なデータを収集します。
  6 上記データの分析を実施します。
  7 クライアントへの中間報告を行います。
  8 中間報告でのコメントを反映させ、最終報告を行います。
  9 最終報告に基づき、ネクストフェーズを実施します。

実施可能な提案を行い、確実に実施まで責任を持って遂行するところが強みです。こうした分析手法を彼らは「Actionable Analytics」と呼んでいます。Actionable Analyticsアプローチについては、英語になりますが、下記サイトも参照してみてください。
http://www.avenuea-razorfish.com/pressReleases/pr_20061205_analytics.htm

 アベニューAレイザーフィッシュとの資本業務提携の大きな目的のひとつは、彼らが持つこうした高度な分析手法の導入にあります。そういった意味では、今回の一連のセッションは、当社が変わっていく大きな引き金になることでしょう。

投稿者: Reo Watanabe 日時: 2007年8月22日 21:44 |パーマリンク

クリスタルボール

2007年8月15日

 「クリスタルボール」について、少し補足します。直訳では「水晶玉」であり、占い師が将来を占うための道具です。今後のマイクロソフトのオンライン広告のビジネス戦略において、クライアントのマーケティングニーズに直接応える立場にあるアベニューAレイザーフィッシュは、別の言い方をすると、広告産業の将来を占う試金石の役割を果たす、との意味です。

 aQuantiveのCEOであったブライアン・マクアンドリュース氏が、この度の買収完了にあたり、社員に宛てたメールの一部を下記にご紹介します。英文ですが、参照いただければ、上記の意味が一層はっきりすると思います。APSは「Advertiser & Publisher Solutions」グループの略で、aQuantiveグループ企業全社が所属するマイクロソフト内の新しいグループ名です。

...our shared vision for online advertising, which is to create value for advertisers and publishers by creating a comprehensive advertising platform across devices and media. APS is perfectly poised to help deliver on that vision. And, with Avenue A|Razorfish (AA|RF) operating at an "arms-length" from this platform - adjacent to it, but not within - we will be uniquely positioned to deliver customer insights that will help feed the "innovation loop." Mike Galgon, one of aQuantive's co-founders, has referred to AA|RF as the "crystal ball" that helps us see into the digital advertising future. I think he's right...

投稿者: Reo Watanabe 日時: 2007年8月15日 14:58 |パーマリンク

マイクロソフトによるaQuantiveの買収が完了

2007年8月14日

 米国時間の昨日(8月13日)、マイクロソフトによるaQuantive社買収が完了した旨の発表がありました。aQuantiveグループは、マイクロソフトのPlatforms and Services Divisionに新設されるAdvertiser and Publisher Solutions (APS) グループという部門になります。APSグループの統括は、aQuantiveのCEOであったブライア ン・マクアンドリュース氏が引き続き担当します。当社の資本業務提携先であるアベニューAレイザーフィッシュは、APSグループの傘下となり、引き続きクラーク・コキ ッチ氏がCEOを務めます。社名もそのまま継続されます。本買収締結にあたり、メディアを営むマイクロソフトとエージェンシーサービスを提供するアベニューAレイザーフィッシュとの間に、利益相反が発生するのではとの意見が多々ありました。しかしながら、アベニューAレイザーフィッシュは、MSN等のマイクロソフトのメディアとは明確に一定の距離を置き、運営が維持されます。従って、クライアントの皆様の利益を最優先に提案を行っていくことに変わりはありません。当社の姿勢も全く同様であることを、ここでご報告させて頂きます。

 さて、今回の発表で、マイクロソフトの一連の広告関連の買収の目的は、業界最高のオンライン広告プラットフォームになることであることが、明確に打ち出されました。2010年までに9兆円を超える規模になる世界のオンライン広告市場において確固たるマーケットシェアを獲得するという明確な意志表明です。これを実現するために、これまでのaQuantive成功の主要因である、テクノロジー、メディアネットワーク、そしてクライアントソリューションのトライアングルを、「innovation loop」と呼び、一層強化していきます。その中で、クライアントニーズに基づいてサービスを提供するアベニューAレイザーフィッシュは、広告ビジネスの未来を覗く「クリスタルボール」の役割を果たすことになります。

 当社は、彼らとの資本業務提携に基づき、日本の新しいメディア環境にふさわしい広告モデルの構築に邁進していきます。ご期待ください。

http://www.aquantive.com/news/releases/Microsoft_aQuantive.asp
http://www.adweek.com/aw/national/article_display.jsp?vnu_content_id=1003625006
http://adage.com/digital/article?article_id=119851

 

投稿者: Reo Watanabe 日時: 2007年8月14日 23:22 |パーマリンク

夏休み

2007年8月13日

 夏休みにイギリスに行ってきました。ロンドン滞在は最低限に止め、スコットランドと湖水地方に初めて行ってきました。イベントだらけではありましたが、気分的には久しぶりにゆっくりとした休みとなりました。

 ゆっくりするのがメイン目的ですが、それとは別にイギリスの現状を少し覘いて見たいという気持ちもありました。というのも、ある意味で現在のイギリスは日本の近未来的な存在でもあると感じていたからです。経済の停滞、人口減、高失業の時代を経て、サッチャー時代に小さい政府の導入、国営企業の民営化、金融ビッグバン等の荒療治を行い、ブレア時代で経済復興を実現した様は、今後の日本の復興の見本ではないかと。
 
 まず、気がついたのは、移民の多さです。東欧からの移民が多いと聞いていましたが、私の目で分かるのは、中東やインド、アフリカからの移民です。それだけでも相当の数で、ロンドンはニューヨークに勝るとも劣らない「人種のるつぼ」と言ってもいいでしょう。

 次に、食べ物が結構おいしいこと。以前は、どこに行っても、この程度かと感じたものですが、今回は、割合どこに行っても、それなりに美味しくて、場合によってはかなり美味しいところもありました。また、カフェがどこにでもあること。少し古い話になってしまいますが、20年ほど前までは、イギリスでコーヒーを飲みたくなっても、マクドナルドに行くか、自分でコーヒーを買ってきて作るかしか方法がなかったと記憶しています。こうしたことは、移民の効果かもしれませんし、またコーヒーに関してはスターバックス効果かもしれません。

 最後は、物価の高さ。ある程度は覚悟していましたが、一般的な消費財の物価は、日本の1.5倍か、それ以上に感じました。日本の有難味を痛感しました。日本は今、安いです。日本の場合、昨今の不動産の高騰だけは多少違和感を感じますが、それ以外のものは、かなり安いと言えます。Buy Japanでしょう。

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投稿者: Reo Watanabe 日時: 2007年8月13日 19:13 |パーマリンク

メディアクリエーティブについて

2007年8月1日

 ヤフーがディスプレイ広告のサイズを大型化するとの発表がありました。300X200ピクセルということなので、もはやバナー(横断幕やのぼりの意)とは呼べないのではないでしょうか。あと何年もすると、昔ディスプレイ広告のことをバナー広告と呼んでいた時代もあったと言われることでしょう。この件に限らず、ディスプレイ広告のデータ許容サイズの大型化に伴い、そこでの表現方法も一層高度化できるようになってきています。映像も、不自由なく表現できるようになりました。

 こうした環境変化の中で、ふと感じたことがあります。クロスメディア、クロスメディアと叫ばれて久しいですが、インタラクティブの世界で本当にメディア横断のクリエーティブが充分に行われているでしょうか。様々なディスプレイ広告、キャンペーンサイト、コーポレートサイト、そしてソーシャルメディアとの連携など、すべてインターネットメディアではありますが、位置づけは明確に違うので、別々のメディアとも言えます。こうした各々のデジタルメディアの特性を充分に活用し、ブランドメッセージを効果的に演出しているキャンペーンが非常に少ないように感じます。これには色々な要因があると思いますが、まだまだオンライン広告については、枠売りが優先され、クリエーティブが軽視されていることが主原因でしょう。市場が未熟だということです。

 電通の大先輩の方から、昔は電通は「黒枠」を売って成長したのだと、聞いたことがあります。「黒枠」とは、新聞の死亡広告のことで、黒枠で囲まれていたので「黒枠広告」と呼ばれていました。著名人が亡くなると、いち早くその方の家や会社に向かい、広告枠を売り込んでいたそうです。これに限らず、当時の広告はあくまでも枠売りが中心で、クリエーティブにはほとんど価値が認められていませんでした。その後、プリントメディアの表現力が上がり、また映像メディアであるテレビの登場により、そこでどのようなクリエーティブを展開するかが、キャンペーンの成否に係わるようになりました。オンライン広告は、今ちょうどその時期に入りつつあるのではないでしょうか。

 今後は、様々なデジタルメディア、そしてオンライン広告の特性を生かした「メディアクリエーティブ」の重要性が高まると感じています。そして、クリエーティブが真価を発揮できるようになる時になって、ようやくインターネットというものが、一流の広告メディアに成長したといえるのはないでしょうか。もう、すぐそこです。

投稿者: Reo Watanabe 日時: 2007年8月1日 21:18 |パーマリンク